【英国桜紀行】ロンドン名所と知られざる物語、感動の絶景を求めて
イギリスで桜といえば、ロンドンの公園や英国庭園に並ぶソメイヨシノやオカメザクラが注目されています。そのピンク色の花びらには日本の文化が息づき、開花を待つ英国人も多いです。ここでは歴史とイングラムの植樹活動など、桜がつなぐ日英交流の魅力をお伝えします。
– 桜が渡った驚きのストーリー
– ロンドンでの人気スポットと撮影のヒント
– 多様な品種が生む文化の彩り
これらを知ると、今年の春は旅がもっと楽しくなり、ブログやSNSに投稿したくなるはずです。現在も研究が続く桜の不思議に触れ、世界を旅する花の魅力を感じてみませんか。桜と世界をつなぐ旬の瞬間を、どうぞ楽しんでください。

目次
意外と知らない?イギリスに広がる桜文化の歴史と背景をひもとく
イギリスに桜が広く根付いている様子は、日本人にはあまり知られていないように思われる。花開く木々を眺めていると、日本と比べてあまり手入れされていない桜の姿も見受けられるが、そこには英国流の自然との向き合い方が感じられて、独特の趣がある。長い間手つかずの状態でも、太い枝に力強く花を咲かせる姿はまるで英国の街並みに溶け込み、地域の暮らしに彩りを添えている。このような花風景が存在する背景には、多様な品種が息づいてきた歴史がある。ソメイヨシノだけではなく、ピンク色の八重桜や白く可憐な品種など、さまざまな種類がイギリス中で見られるからこそ、人々の興味が絶えない。日本と違い、花見の時期に特別な行事を開催することは少ないかもしれないが、街角や公園などで自然と集まり、異なる文化や言語を持つ人々が笑顔で花を愛でる姿が印象深い。2007年の春に近所で撮影された桜が、ほとんど世話をされずにしっかりと咲いていたというエピソードは、こうした英国ののびやかな文化を示す良い例だ。何気ない風景の中にこそ、イギリス人の自然への敬意が感じられる。自宅に持ち帰りたいと思えるほど身近に枝が伸びている光景は、日常の中にある特別な体験といえよう。日本とは違った空気感がありながらも、やはり桜が芽吹く春には心が躍る。同時に、日本から遠く離れた地においても多くの人に愛される桜を見ていると、大切に育まれてきた花の歴史と、それを共有する人々の想いが広がっていくのを感じる。ここで桜を楽しむと、日本の花見文化を思い出すきっかけにもなるのだろう。様々な場所で多くの品種が咲き誇るイギリスの春は、日本の人々にとっても新鮮な感動を与えてくれる。英国で生活する機会があれば、春の桜探しに出かけてみるのも面白い。
日本からイギリスへ 桜が海を渡った興味深いエピソードと経緯
イギリスでは、2月頃から5月頃まで異なる品種が次々に開花し、長い期間花見を楽しめることが特徴だ。もともと桜はバラ科サクラ属という分類なので、アーモンドやチェリープラムなども広い意味では桜に含まれるとされる。日本では桜といえばソメイヨシノが圧倒的に人気だが、英国では白や濃いピンクなど姿が多彩な品種に出合える点が興味深い。これらの品種が海を渡ってきた背景には、19世紀から20世紀初頭にかけての植物収集家の活動がある。当時のイギリス人たちが日本の花文化に魅了され、サクラをはじめとする東洋の植物を自ら海外へ持ち帰ったことで、英国各地の公園やガーデンにジャパニーズ・チェリーの並木道が誕生した。文化交流の一環として樹木を受け入れたイギリスは、海外の品種を庭や街路に豊かに根付かせた。異なる時期に開花する桜を掛け合わせ、新しい品種を生み出す試みが行われた結果、ヨーロッパや英国独自の桜の流れも生まれている。桜が渡った経緯を知ると、日英間の植物交流が両国の園芸文化を発展させてきたことを感じずにはいられない。今ではロンドンだけでなく、英国全土で桜が愛され、散策する人々の目を楽しませている。
サクラ愛好家イングラムの活動がイギリスの桜普及に果たした役割
日本には400種を超える桜があったと言われるが、都市部でよく見るのはごく一部だとされている。イギリスに桜が多彩に残っている背景には、コリングウッド・イングラムの熱心な活動がある。彼は日本の桜を深く愛し、品種の多様性を守るために英国で育成や旧来の品種保全を進めてきた。都市開発が進む中で失われかけた希少な桜を守ろうと、日本から苗木を持ち帰って自宅の庭で研究を重ねた。そうした地道な取り組みによって、日本国内では絶滅状態とみなされていた白く大輪の「太白(たいはく)」が再び日本へ里帰りするなど、国境を越えた樹木保護が実現した。彼の活動を伝える書籍や記事には、数多くの品種をイギリスに広げた功績が記されている。今の英国には、花びらの色や開花時期が異なる桜が数多く根付いて、人々の暮らしの中に彩りを添えている。
ロンドンで春を満喫したい!英国在住者おすすめの桜名所5選
ロンドンには、細い枝を大きな花で覆う華やかな品種をはじめ、多様な桜が咲き乱れる季節がある。日本の花見とは少し違い、芝生の上にのんびり座って桜を眺めるスタイルや、花曇を背景に桜を撮影する方法が英国流として定着していると感じられる。自然豊かな公園が多い場所だからこそ、春の開花が人々に与える喜びは大きい。特にソメイヨシノ以外にも小さな花束のように咲く桜や、ピンクが濃い品種を探して歩くのは、散歩好きにとって楽しみの一つだ。ロンドン在住の日本人にも人気の名所は、グリーン・パークやセント・ジェームズ・パーク、郊外の美しいガーデンなどである。英国国王の宮殿の近くや、歴史ある建物のそばで花を愛でると、日本の花見とはまた違った光景に心が弾む。世界各地からの観光客も訪れるため、桜の下で国際交流が生まれやすい点も魅力的だ。ログやブログに投稿される鮮やかな英国桜の写真を見ると、旅心をくすぐられる人は多いに違いない。公園へは時間をかけて散策すると、種類ごとに異なる開花のタイミングや香りまで感じられる。ロンドンの春をより満喫するために、行く前に桜の見頃や場所を調べておくと、さらに充実した花見ができる。
心躍るピンク色の並木道 ロンドン中心部の公園で楽しむお花見散策
日本では桜を語る上で神聖視されることも多いが、ロンドンの公園では細い木々が合わさり、まるでピンク色の花束が並ぶように広がっている。グリーンとのコントラストが一層鮮やかで、幸福感に包まれるような風景がそこにある。公園を散歩する人々や観光客が、気軽に写真を撮り合える雰囲気も魅力的だ。やや曇った空と桜の薄紅が調和して、英国らしい上品な景色が広がる光景は、日本とはまた違う趣がある。ロンドン中心部の公園にはさまざまな桜の枝ぶりが楽しめるエリアが点在しており、同じ場所でも季節や品種によって表情が変わる。芝生でのんびりと休みながら花を愛でていると、海外らしい自由さと日本人が慣れ親しんだ花見文化が混ざり合うようにも感じる。軽やかな気持ちで歩くこの並木道は、ロンドンの春を五感で堪能する貴重なひとときだ。
ロンドン近郊、歴史ある英国庭園で見る美しい桜の姿とは?
風格ある英国庭園には、古くから多様な植物が保護され続けてきた。池の周りや芝生の広がる風景の中に佇む桜を見ると、強い歴史の重みと、そこに根差した自然の活力が調和していると感じる。ゲートの向こうに歴代の王室に関係する建物が見えるような場所では、桜と英国文化が混じり合う不思議な情趣を味わえる。週末には散歩を楽しむ人々が集まり、桜の下で笑い声がこだまする風景が広がることも多い。日本でおなじみのソメイヨシノ以外にも、白や濃いピンクの花を付ける木々が点在していたり、湖面に向かって枝が垂れ下がる姿が存在感を放っていたりする。観光客も多く訪れる英国庭園では、季節を告げる花々の一覧をホームページなどでチェックすることができるため、目指す桜の種類を探しに行く楽しみもある。足元には冬を越えた植物たちが新しい季節を迎える準備を進めており、ゆったりした空気感の中で自然を存分に感じられるのが魅力だ。
日本と英国で花見文化はどう違う?英国流お花見イベント事情
日本では多くの人が集まる花見の宴が広く知られ、桜を囲んで食事や宴を盛り上げる風習が根付いている。一方イギリスでは、大人数が場所取りをしてにぎわうというより、友人や家族と静かに散策するスタイルが主流だ。公園や街路樹に多様な品種が植えられていて、長期間にわたって開花を楽しめるため、イベントも時期をずらして企画されることがある。「チェリー」・イングラムの取り組みを知ると、現地で見られるさまざまな桜が単なる観賞用にとどまらず、日英の文化的つながりを深める重要な役割を果たしてきたとわかる。阿部菜穂子さんの著作で紹介され、歴史に埋もれていたイングラムの功績が明るみに出た今、早春から初夏にかけて行われる桜の祭典は、英国でも一つの風物詩として親しまれている。こうした行事を通じて、英国の人々が花を愛する視点と日本の花見文化が融合し、新たな交流が生まれるのも魅力である。
「サクラ」が紡ぐ英国の地域交流活動 最新の取り組みを取材
近年の英国では、ソメイヨシノ以外の品種が豊富に残っていることに驚く日本人が増えている。日本古来の桜を大切に思う英国人桜守の存在が大きく、コリングウッド・イングラムはその代表例だ。彼は絶滅しかけた貴重な桜を英国で保護し、さらに日本へ逆輸入するという歴史的な偉業も成し遂げた。今では桜を活かした地域の活動が広がっており、地元のイベントや学校行事で桜を植える取り組みが行われるケースも増えている。地域の子どもたちが桜を育てる姿は、この花が単なる観賞用にとどまらず、人々を結ぶ存在として根付いてきた証だと言える。桜の保護活動を話題にすることで、環境保護や文化の多様性を考えるきっかけも生まれる。最新の取り組みに触れると、桜が英国の人々の心をつなぎ、国際的な理解を深める要素として機能し続けていることを実感できる。
花見を通じて繋がる日本人とイギリス人の交流・国際親善の今
日本では明治以降、ソメイヨシノが花見の主役になったが、英国では江戸時代以前から伝わる日本古来の品種が多く植えられている場所がある。こうした事実を知ると、イギリスにおける桜保護は興味深い歴史を持っていると感じる。コリングウッド・イングラムは、絶滅したとされる太白などを英国で守り抜き、のちに日本へ里帰りさせるなど、国を越えた貢献を残した人物。彼の活動が再評価される今、花見という行為が単なる季節の行事にとどまらず、人々の心をつなぐ架け橋になっていると実感できる。日本人もイギリス人も、一緒に観賞会や植樹イベントを共同で開くなど、国際親善を深める機会を作り上げている。花が咲く時期には、多彩な文化背景を持つ人が集まり、桜とともに温かな交流を育んでいる。
ソメイヨシノだけじゃない イギリスで見られる珍しい桜品種一覧
英国で桜を見かけるとき、白くふんわりと咲く品種や濃いピンクの華やかなものが隣り合っている光景に気づくことがある。これは19世紀に日本から持ち込まれたジャパニーズ・チェリーが土台となり、イギリスの園芸家たちが改良を重ねた結果だとされる。「チェリー」・イングラムの活動が注目されるにつれ、多くの人がこうした品種のルーツに興味を寄せるようになった。阿部菜穂子さんの著書を通じ、イギリスに定着した桜が実は数百を超えるほど多様だと分かり、ソメイヨシノ以外にも印象深い品種があると理解できる。それぞれが異なる色合いや花期を持ち、枝ぶりや葉の形にも特徴があって見比べるのが楽しい。都会の街路樹や郊外のガーデンなどで観察すると、今までは知らなかった新品種を発見することもある。気になった桜は写真に収めて、品種名や由来を調べると、イギリスと日本の交流史を樹木の視点から読み解ける可能性が広がる。
イギリス生まれの「オカメザクラ」、その名前と美しい花の秘密
オカメザクラは、マメザクラとカンヒザクラを掛け合わせてイギリスで誕生した品種とされ、学名にも“Okame”と記載がある点が興味深い。花径が小さく、それが愛らしさを際立たせるため、日本でも人気が高まりつつある。福笑いの顔を連想させる「おかめ」が名前の由来だが、古くは美人を指す言葉であったといわれる。住宅街や公園でも撮影されやすいピンク色の花が特徴で、春先には多くの人がこの可憐な姿に魅了される。イングラムのような研究家がイギリスにも存在し、日本のサクラ文化に大きく貢献する形でこの品種が広まったと聞くと、両国の交流がいっそう身近に感じられる。
日本から帰った貴重な品種「太白」の英国での植樹成功秘話とは
真っ白で大きな花びらを持つ「太白(たいはく)」は、かつて日本で絶滅したと見なされていたが、イングラム氏が英国で育てていた株を日本に里帰りさせたことで復活した品種として有名だ。2月から開花するカワズザクラに続き、早春に咲くオカメザクラのような品種が注目される中で、この太白には幻想的な美しさがある。イギリスでの植樹が成功した秘話は、震災や近代化で失われかけた桜を守ろうとする熱意が形になった事例の一つともいえる。欧州での日常に溶け込んだ白い花を見ると、その背景にある歴史や研究者たちの努力を思い起こさずにはいられない。

話題の書籍『チェリー・イングラム』に学ぶ 桜が繋ぐ日本と英国
かつて日本には400種もの桜があったが、現在の都市部では1品種に偏る傾向がある。多様な品種を守り続けた英国の桜守が「チェリー」・イングラムだ。彼の働きを詳しく知りたい人には、英国在住のジャーナリスト阿部菜穂子さんが執筆した『チェリー・イングラム:日本の桜を救ったイギリス人』が良い手がかりになる。発刊当初から話題となり、BBC Radio 4でも取り上げられ、8カ国語に翻訳されるなど世界的に注目を浴びた。彼の活動は文化的・歴史的価値だけでなく、環境や自然保護の観点からも尊い意義を持っている。日本から遠く離れた英国で桜の国際的な発展に貢献するイングラムの情熱を理解すると、桜の美しさが単なる花の魅力だけでなく、歴史や人のつながりを象徴するものだと再認識させられる。読後には、桜の未来を自分の足元から考えたくなるに違いない。
映画化もされた桜保護の物語 英国人の視点から見た桜の価値とは
イギリスでは、豊かな歴史の中で品種改良や植樹の取り組みが進み、かつて日本で見られた多様な桜が大切に維持されてきた。それを象徴するのが「チェリー」・イングラムの物語であり、映画化や書籍化もされるほど広く関心を集めている。日本国内で姿を消しかけた桜を英国から里帰りさせたエピソードを知ると、一つの花が国境を越えて文化や環境保護に役立っている事実を強く感じる。桜が持つ価値は、日本人にとっての春とともにある美意識だけでなく、英国内でも重要な園芸資源になっているという点にある。そうした英国人の視点を踏まえると、桜は国際的に貴重な植物として評価され、世界をつなぐ象徴にもなり得ると分かる。
桜が教えてくれる日英交流の未来、世界に広がる桜の輪を感じて
日本の明治期以降、急速に広まったソメイヨシノも英国では限定的にしか見られない一方、昔から親しまれていた日本古来の品種がイギリスの公園や庭園を彩っている。そこにはコリングウッド・イングラムのような情熱的な桜愛好家が存在し、絶滅寸前の桜を守り抜いて次世代に残そうとする力強いストーリーがある。知れば知るほど、人々が時間をかけて愛情を注ぎ、それぞれの土地に合った桜を根付かせる姿は感動的だ。英国に住む阿部菜穂子さんの著作などを通じて広まったイングラムの偉業を知ると、桜が単なる花ではなく、文化の橋渡し役であると理解できる。日本人とイギリス人が花を通じて親善を深める今、桜の輪はさらに世界各地に広がろうとしている。次はあなたも、英国の桜に会いに行ってみませんか。

日本ワーキングホリデー協会のフィリピン専門チームが執筆しています。毎年フィリピンを訪れて現地視察を行い、語学学校や生活情報、観光地まで幅広い知識を基にリアルな体験談をお届けしています。